2000年以上の歴史をもつ中国伝統医学(一般的に認識されている「東洋医学」)は約1500年前に日本に伝来しました。大陸の人間と島国の日本人では、気候風土(中国大陸自体広くて地域差もあるのですが)や、食生活や社会環境、など、さまざまに異なります。それゆえ、日本人の身体に合うよう工夫がなされ、日本独自の理論や道具、治療法の違いもでてきたといえます。

しかし、基本的に共通しているのは「気の医学」である、ということです。

その摩訶不思議と思われる「気」に対して「陰陽」とか「五行」といった物差しをあてて、患者さんの「気」がどのように歪んでいるのか?ということを認識し、それにもとづいて、鍼灸や漢方で治療してきた、というわけです。

※明治7年に「医制」が発布されるまでは、東洋医学であるいわゆる漢方・鍼灸は正当な医療であり、武家社会や民間において日本人の健康を守ってきた医学です。そういう意味でのエビデンスはあるといえるのですが、現代科学では原理的に説明出来ない部分が多いために非科学的、という風にいわれてしまいます。

出来るだけ簡潔に分かりやすく表現したいと思います。

あらゆるものや機能が「気」によってなされています。人体においては、根源的な気を「真気」や「元気」といいます。各臓腑には「臓腑の気」、経絡には「経気」というものが存在し機能して生命活動を行っています。

いわゆる西洋医学でいうウィルスと免疫力、をあえて東洋医学的にいえば、「邪気」「正気」という表現をいたします。

鍼灸治療とは何か?ひとことでいえば、

「正気」を高めこと

そのために「邪気を退けること」

ということになります。

「我々の本分」解説 3につづく