気温が上がるにつれて、武庫川の流れが軟らかく見えてきました。
河川敷に立つ松の木は、ますます力強く伸びています。
表面はカラカラに乾燥したように見える松の木ですが、
生い茂る葉を見ると、木の中では地面から吸い上げられた水分が
枝葉まで巡り渡り、潤いを保持していることが分かります。
木の中にも小さな武庫川が流れているんですね。
木が本来持っている水を吸い上げる力は
人間でいうところの 肝 の働きと同じです。
なので、肝は【 肝木 】とも言います。
肝木のイメージは、まさに力強く伸びやかです。
そんな力強い木が並ぶ武庫川に、少し変わった木があります。
寄り添って葉を茂らす仲良しの木です。
地面に無数に伸びる根っこ。
地下には茎がどこまで広がっているのでしょうか。
この広がる大地の大きさをイメージするだけでワクワクします。
この木も松の木と同じく、吸い上げる水があってこそ生い茂ることが出来るわけですが
根っこの部分を人間で表すと、それは 腎 に相当します。
なので腎は【 腎水 】とも言います。
お花に水をあげないでいると土が乾き、やがて枯れます。
これは人間の身体でも同じです。
特に春は肝木が盛んになる時季。
肝が吸い上げる腎水もなかなかの量になります。
そうすると自然と 体に乾き が出てくるものです。
『 最近、お風呂入っても肌がカサカサするわ… 』
『 朝起きた時になんだか口がカラカラと乾く、口開いてたんかな… 』
『 便をスッキリ出したいのに、何だかちょっと物足りないな… 』
『 イタタッ、足つった… 』
『 あっ爪にひびが入って割れそう… 』
こういった症状があると、【 陰血不足 】といって
体内の潤いが不足しているかもしれません。
だけど身体が水分不足だからといって
たくさん水分摂取をしても胃腸の管を通過するばかりで、体内に浸透しにくいんです。
潤いを補充する方法の一つとしまして、こんな方法があります。
煮物 を思い浮かべてください。
煮物は過熱する時に味が染み込むのではなく
ゆっくりと、そしてしっかり冷ますことで味が染み込んでくるそうです。
料理をしないので知りませんでした( ̄▽ ̄;)
自然と同じで、身体の働きもこれによく似ています。
体内に水分を染み込ませるために
【 寝かせる 】のが効果的です。
そうです、寝るんです! 笑
しかも煮物と同じく、気温が下がっている時に寝る。
陰陽で言いますと、
夜は陰で、昼は陽です。
また水は陰で、火は陽です。
夜(陰)に向かっている時間帯に寝ることがおススメです。
逆に朝に向かう時間とは、何時ごろでしょうか。
夜中12時を回ると、テレビのニュースでも
『今日の天気です。』
とアナウンサーが言いますよね。
深夜に『今日の○○』と聞く時が、僕にとってはテンション下がる時です!
まだ昨日だ!と反抗したくなります(笑)
でも寝た方が良いですね(^^;)
夜中12時を過ぎると、それはもう完全に朝(陽)に向かっています。
結果、潤いを体内に染み込ませる(補充する)時間を逃すことになります。
理想は夜11時までの就寝。
潤いが気になる方は、だまされたと思って一度されてみてはどうでしょうか。
身体に不調を感じましたら気軽にご相談頂き、東洋医学での考え方もご参考ください。