こんにちは。
立春を過ぎてから、ビュッという強い風が時々襲ってきます。
吹く風はまだ少し冷たいですね。
それでも自然界はすでに春です。
春は 風木 といいまして、身体も自然界に同調して陽気が活発になっていきます。
その活発な働きには、肝の臓 が関わります。
肝臓は 将軍の官 と呼ばれ、やる気満々の臓器です。
肝は木の幹枝葉のように上へと伸びようとします。
このやる気(肝気)が満ちすぎると、今度は風となって大地の砂を巻き上げてしまうように、時に困った症状を起こすことがあります。
例えば、耳鳴りや頭痛、眩暈など上半身の症状です。
武庫川分院では回転性眩暈の患者さんが来られました。
上記のとおり、肝気の亢ぶりとして判断しましたが、
ではなぜ肝気が亢ぶってしまうのでしょうか。
この患者さんの場合、外食が続き食生活がしばらく乱れていました。
バレンタインデーもありましたしね。
チョコの味見で、配るよりも口に入る量の方が多かったりして(笑)
飲食物は胃に入り、脾の働きを受けながら消化していきます。
脾胃は陰の性質が強く、陽である肝の臓を抑制してくれる所があります。
陰陽のバランスを取っているんですね。
しかし、暴飲暴食により脾胃に無理な負担がかかると脾胃の働きが弱まり、陰陽のバランスが崩れてしまいます。
その結果、肝が暴走状態に陥り、身体の上部を犯すことになるのです。
この患者さんの場合、脾胃を助ける事に重点を置きました。
処置としましては【公孫】という脾のツボを使いました。
脾胃を健やかにする事で、結果的に肝の亢ぶりを引き下げる方法です。
公孫穴は、衝脈という奇経とも関係していますので
字の如く、衝き上げたものを下ろすようです。
結果、眩暈は治まり、首が回らなかったのも取れたようです。
食生活の乱れが原因の1つである眩暈。
チョコが行き交うシーズンはご注意を。