先日、往診先に院長と車で向かっている時、雨が降ってきました。

 

院長『雨音が冬と違うな~』

私『???』

院長『冬と違って雨音がやわらかいやろ?』

私『・・・確かに!』

 

言われてみて初めて気付きましたが、冬に比べると車のフロントガラスに当たる雨の音が違います。冬の雨は、この時の雨に比べ、硬く鋭くコツコツ当たる感じだったように思います。

 

季節が冬から春になり、陽気により陰寒が緩和してきたためと考えられます。寒いと諸々硬くなり、暖かいと柔らかくなるもので、雨音も冬に比べ春はやわらかい、というわけですね。

 

雨音一つに陰陽の移り変わりを感じる。人は自然の中の一部です。気温や気候、自然の動きはその年々で大きく変わり、人体に大きく影響します。その違いを感じながら、それが人体にどのような影響をおよぼすのか、常に感じ・考えることは臨床家としてとても大切なことだと思います。

 

『鍼灸師たるもの、24時間のうちどれだけ鍼のことを考えているかが重要だ!』と、院長は常日頃おっしゃっておられます。院長の場合は曲がった針(釣り針)のこともよく考えておられますが、、、

皆さんも是非、季節の移り変わりを雨音で感じてみてください。

 

 

立春を過ぎて早1ヵ月半。気温もだいぶ高くなり、春らしい気候になってきました。

 

四季の過ごし方についても書かれてある『素問』の四気調神大論には

 

“春の時季は、朝早く起きて新鮮な空気をいっぱい吸って、ゆっくり散歩して、髪も解い

て、身にまとうのはゆったりした衣服にしましょう”

 

と書いてあり、四季にそぐわない生活態度は病(やまい)を引き起こすことになる、と説明されています。

 

この時季は、めまいや頭痛、花粉症でお困りの方が多いです。これらの症状が出るのにはもちろん春という季節・気候の影響もありますが、春の前、すなわち冬の時季に冬らしい生活を送っているかどうか、というのも大きく関わってきます。

 

季節を陰陽で分けると、春~夏は陽、秋~冬は陰の時期です。陽を養うには太陽の陽に当たりながら活動的に動くこと、陰を養うのは大きくは睡眠です。

 

春らしく過ごすことで夏も元気に過ごすことが出来、春~夏に活動的に過ごして陽を養うことで、秋~冬の時期を元気に過ごすことが出来ます。

 

病を治すための養生も大事ですが、病知らずで機嫌よう元気に過ごすため、日々の養生もとても大事!ということですね。

 

夏のビールがより美味しくなるように(笑)今しばらくは春らしくのびのびと活動的に過ごしましょう!

 

 

今週のお花

レプタンサ デルフィニウム ラナンキュラス マトリカリア スターチス

スプレーストック ラクスパー トルコキキョウ