先日、散歩中に白い雲の中に ぽつんとある黒い雲 を見つけました。
いかにも水分を含んでいて重そうな雲。
周りに揺さぶられることなく自然と流れるその形に、自由 を感じます。
黒 は、東洋医学で 腎 との関わりを指します。
黒といっても 腎の色は「 玄 」という色を指すそうです。
玄…色々を混ぜ合わせて真っ黒になる寸前の赤みを帯びた黒色。
まさに本院長の剛毛な髪の毛のよう…。
玄珠堂 の名前にもこの字が使われていますが、
ぼく、意味を知りませんでした (; ̄Д ̄)
これはいかん!と思い、本院長に伺いました。
玄珠というのは
『荘子』外篇の天地篇に出てくるようです。
『 玄珠 』 というのは、『 道の象徴 』
という意味合いで用いられています。
荘子の訳文にはこのように書いてあります。
「 黄帝が赤水の北に旅行し、崑崙山に登り、それから南を指して帰ってきたが、そのとき玄珠を失った。
物知りの知に命じて探させたが分からず、目のきく離朱に探させてもだめだし、弁論の立つ喫詬(かいこう)に探させてもだめだった。
そこでぼんやりものの象罔(しょうもう)をやったところ、この象罔が玄珠を見つけてきた。
黄帝は「いぶかしいことだ。象罔が見つけ出すとは」といった。 」 と。
技術や知識、それらを身に付けている者だけが結果を出せるのではなく、自然のままの道に結果はあるのだという事でしょうか。
なにやら少しムズかしいですが。
鍼灸医学も同じようなことで、鍼灸師が病を治すんだ!!って、
力んでいても患者さんとの交流がないと治りにくいと思います。
雲のように自然体でお身体を診させていただいて、身体の変化を敏感に察知していく。
そこが鍼の面白いところの一つだと感じています。