みなさん、こんにちは!
梅雨に入りましたが、お元気にされているでしょうか?
さて、予告通り、四診(東洋医学的診察法)について
お話しを進めて参りたいと思います。
四診とは望聞問切(ぼうぶんもんせつ)のことでした。
今回は、望診のあらまし、を。
望診;視覚を通じて病態や病因を知る
こういう内容でしたね。
「視覚を通じて」とありますので、西洋医学の「視診」と少し似ているようです。
が、ちょっと違います。
端的に言いますと、
視診、といった場合には視覚を通じて、「じっと局所を観察する」
ということになりますし、
我々の望診の場合は、「望」の字義にあるように「遠くを見やる」というニュアンスになって参ります。
もちろん、舌や爪、といった局所も診るのですが、それを「一つの生命体の一部」として、お身体全体を意識したうえで、
診てゆこう、判断してゆこう、という感じですね。
また、「神(しん)、色(しき)、形(けい)、態(たい)」という観点から診てゆきます。
つまり、
・「神」…その方の生命の輝きの状態を見る、というより、「感じ取る・直観する」
とくに目に現れます。鍼がよく効くと、眼がパッと輝き、大きくみえます。
皆さんが普段感じるもので表現すれば、ある人に会った時に感じる「生気(せいき)」のあるなし、という感じのものですね。
・「色」…全体、あるいは局所の色を診る
一般的に、青赤黄白黒の五色で判断します。お顔もですし、お腹や背中も。
軽くカゼが入ると、普段よりもうっすらと白っぽく見受けられるものです。
痛みが強いと青みが増しますし、飮食の不摂生があると少し黄色っぽくなります。
ほかにもいろいろあります。
・「形」…全体、あるいは局所の形体(静的)を診る
通常あるべき形体に比してどうか?という視点です。
また、形体に異常があるのは慢性的、ともいえます。
たとえば、子供のころからお腹が弱い方は、外反拇指になりやすいですし、
場合によっては拇指(足の親指)が短かったりします。
・「態」…全体、あるいは局所の動態を診る
歩行の状態から、何処の経絡や関節に負担がかかっているのか判断したり、
また、舌を出す(出せるスピード)や出してからの動きなど、さまざまな場面で判断します。
このような感じですね。
次回またもう少し詳しくお話ししてゆきますね。
『望診遵経』中国・清代(1875年)汪宏 著
有名な望診専門書です。
時代によって国土を支配する民族が代わるも、
伝統医学として継承・発展させてきた、というのはある意味すごいことだと思います。