2025年の歩み(続編)
― 4月以降の活動報告と年末のご挨拶 ―
気がつけば、あっという間に年末になってしまいました。
前回お伝えした「2025年8月(春頃)までの振り返り」
の続きとして、
その後の出来事を簡単にご報告し、
今年を締めくくりたいと思います。
GW:ブラジル渡航!
2016年に開催された世界鍼灸学会連合会学術大会(WFAS)東京・つくば大会で知己を得た、
ブラジル・ゴイアニアにある鍼灸専門学校「KANGENDO」の校長先生、
ヴァレリオ・リマ先生からお声がけをいただき、
ブラジルに渡航して打鍼術の指導をしてまいりました。
ヴァレリオ先生は、蓮風会長著『弁釈鍼道秘訣集』を読み、
ご自身で打鍼道具を作製し、
臨床に応用されており、
つくばでのWFASの際には、
実際に蓮風会長の打鍼術を受けて大いに感銘を受けられたそうです。
今回は、私がブラジルに出向き、
ヴァレリオ先生の生徒さんたちに打鍼術の指導をしてきました。
片道、トランジットを含めてほぼ30時間という長旅はさすがに堪えましたが、
現地ではヴァレリオ先生や通訳の吉田先生がとても親切にしてくださり、
ありがたく感じました。
皆さん本当に熱心に学ばれ、
何よりとてもフレンドリーで、
楽しい時間を過ごすことができました。
そうそう、私は海外旅行に不慣れなので、
旅慣れている富里君(『三つの思考』の共著者です)が同行してくれたことも、
大変心強かったです。
7月18日(金)~22日(火):中華文明発祥地・河南研修
こちらも海外渡航です。
医聖と称される後漢時代の、
漢方医学のバイブルともされる『傷寒論雑病論』の著者・張仲景先生が祀られている河南省の医聖祠を、
以前から一度訪れたいと思っていました。
北辰会とも友好関係にあり、
私自身も学術委員を務めている日本東方医学会が河南研修を企画してくださったため、
「ぜひに!」と(患者さんにご不便をおかけすることも承知のうえで……)参加してまいりました。
医聖祠だけでなく、100年以上の歴史を持つ洛陽正骨医院、
南陽市にある張仲景病院(河南中医薬大学附属病院)、
河南中医薬大学およびその附属病院などを訪れ、
鍼灸を含む中国伝統医学の実際を見学してきました。
日本とは異なり、自国の伝統医学が大切にされ、
なおかつ正式な医療として実践されていることに、
改めて深い感銘を受けました。
8月31日(日):北辰会夏季研修会
毎年、母校でもある森ノ宮医療学園専門学校をお借りして開催していますが、
昨年はあいにく台風の接近により、直前で中止を決定せざるを得ませんでした。
しかし今回は、おかげさまで良い天気(猛暑でしたが……)のなか、
無事に開催することができました。
いくつかのコースや班が設定されていますが、
私は刺鍼上級コースを、副代表の油谷真空先生とともに担当しました。
受講生は全員北辰会講師ということもあり、
非常に高度な内容について、
議論を交えながら指導させていただきました。
最後は、例年通り代表による実技デモを行いました。
詳しくは北辰会HPのブログをご覧ください。
9月27日(土):第31回日本病院総合診療医学会学術総会
総合診療医学会よりお声がけをいただき、
アクリエ姫路(姫路市文化コンベンションセンター)にて、
ワークショップ「鍼灸・漢方医療と総合診療の関わり」に登壇いたしました。
詳細は北辰会ブログをご参照ください。
総合診療医、漢方医療の分野で著名な先生方とともに登壇する機会をいただき、
大変光栄であり、また貴重な経験となりました。
10月11日(土)~12日(日):第53回日本伝統鍼灸学会学術大会(東京大会)
昨年は日本鍼灸師会全国大会と日程が重なり参加できませんでしたが、
日本伝統鍼灸学会は北辰会が伝統鍼灸の一派として軸足を置く学会であり、
私自身も評議員を務めていることから、基本的に毎回参加しています。
今回は一般口演の発表者として登壇しました。
私以外にも、油谷真空・尾崎真哉の両副代表をはじめ、
原元氣先生、坂井祐太先生、森岡健介先生など、
北辰会の講師陣も発表を行いました。
北辰会鍼灸の実際を示すとともに、
他流派の考え方や臨床に触れることができる、
非常に貴重な学会です。
北辰会会員の皆さんにも、
ぜひ参加していただきたい学会の一つです。
※北辰会ブログは、
この記事掲載時点ではまだ更新されていないようですので、
ひとまず写真のみご覧ください。
11月23日(日)~24日(月):第15回日本中医薬学会学術総会
「日中のさまざまな鍼灸流派」というシンポジウムのシンポジストとして登壇予定でしたが、
日中関係の悪化により、
直前で延期(無期延期……?)が決定しました。
中国大陸から伝わった鍼術が、
日本においてどのように継承・発展しているのかを、
北辰会の立場からお話しする予定で準備していただけに、
非常に残念でした(上海蟹も……)。
またの機会に期待したいと思います。
12月14日:北辰会関東部会 年末代表講演
例年通り、東京衛生学園をお借りし、
尾崎真哉副代表、竹下有学術副部長とともに登壇しました。
今回は「病のメカニズムと鍼灸臨床」というメインタイトルのもと、私は
「鍼灸臨床にみる病の因縁果~病因病理図構築の実際~」
と題して講演し、あわせて公開臨床を行いました。
講演内容は、日頃から下城先生にお伝えしている内容でもありますので、
興味のある方は下城先生に尋ねてみてください。
公開臨床では、
最近北辰会に入会された先生が、
アトピー性皮膚炎を主訴としてモデル患者さんになってくださいました。
私たちは病名に合わせて鍼治療を行うのではなく、
病名は参考としつつも、患者さん一人ひとりの病因病理を把握し、
弁証という診断を行ったうえで一本の鍼を立てます。
このモデル患者さんは病歴が長く慢性化しており、
病因病理も非常に複雑でしたが、
ご自身の身体を客観的に観察されていたため、
問診をスムーズに行うことができ、
適切な一鍼を施すことができました。
直後から「肌の感覚が違う(良くなった)」との言葉もあり、印象的な臨床となりました。
詳しくは北辰会ブログをご参照ください。
12月20日~21日:第29回日本統合医療学会
岡山コンベンションセンターで開催された学術大会に、
今回初めて参加しました。
医師だけでなく、鍼灸師をはじめ、
整体、カイロプラクティック、リフレクソロジーなど、
いわゆるコメディカルの方々も多く参加される学会です。
蓮風会長や北辰会と長年親交のある関隆志先生からお声がけをいただき、
「伝統鍼灸(北辰会方式)による診察・診断(弁証)・治療」というタイトルで、
2時間にわたり、鍼灸に興味を持つ医師や歯科医の先生方に向けて、
舌診や経穴診、基本的な鍼の刺し方などをお伝えしました。
なかなか大変ではありましたが、
下城先生、クリス先生の協力もあり、楽しく充実した時間となりました。
玄珠堂インスタ 第29回 日本統合医療学会学術大会(岡山大会)
さて、ここまで一気に書き上げてきました。
こうして振り返ってみると、今年は本当に出張の多い一年でした。
玄珠堂に来ていただいている皆様には、
診療日程などでご不便をおかけしたこともあり、改めて申し訳なく思っています。
また、さすがに体力的なことも少し意識するようになった、今日この頃でもあります(^^;)
北辰会代表として、自身で現地に出向くことの大切さも感じていますが、
来年からは信頼できる先生方にお任せできることはお任せしつつ、
私自身は出張を少し減らす方向で考えています(今のところは、真剣に思っています・笑)。
その分、来年はできるだけ院内での診療に集中し、
ご来院の皆様にも安心して通っていただけるようにしたいと考えています。
とはいえ、どうしても外せない機会には、
また少しご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。
どうぞ来年も、引き続きよろしくお願いいたします。
皆さま、よいお年をお迎えください。
前回は「写真多めに」とお伝えしていましたが、
今回は文字数が多くなってしまいましたので、最後に一枚だけ写真をご紹介します。
向かって右から、ヴァレリオ先生、吉田先生、富里くん、私



