昨日に引き続きまして、舌診のご紹介を。

~舌苔(ゼッタイ)について~

舌苔とは舌の表面に生えている苔の事で、舌苔は薄白苔(程よく苔が生えているもの)を正常なものとして診ます。

舌苔を観察する際は、苔の色、苔の形態、厚薄、乾湿と苔の質を診ます。

苔の色は大別すると 「白苔」 「黄苔」 「黒(灰)苔」 の3つに分けられます。

黄苔は主に熱に傾いていることを示し、黒(灰)苔は熱の極みと寒の極みを示します。黒(灰)苔を呈している時は、病態が重く、危険な状態につながる事が多いです。

苔は部分的、または全体的にハゲているケースがあり、これは一般に体液の不足や血の不足を示します。また苔のハゲについていえば、地図のようにハゲているケースもあり、これを「地図舌」といい、小児によくみられ、気の停滞を示しているケースが多いです。

~舌腹について~

舌腹とは舌の裏側のことで、舌を診る際は舌の表と裏の両面を診ます。

舌腹では、舌下静脈(舌の裏にある2本の静脈)の状態、出血の有無、嚢胞の有無、色を診ます。

嚢胞とは舌腹にみられるドーム状の形態をしたもので、色は赤黒いものもあれば白っぽいものもあり、嚢胞の出来ている部位で、おおよその体内での腫瘍などの位置がわかる場合もあります。

 

舌を診る場合に気を付けなければいけないのが、染色による舌色ではないか、ということですね。舌を診る前に、コーヒーやジュース、その他合成着色料を多く含んだお菓子類を摂ると、その色が舌に残ってしまい、誤診してしまうことがありますので、当院に来られる患者さんには、治療前に舌に色が残るような飲食の摂取は控えていただくようにお願いしております。

 

ということで、今日はこの辺で終わりたいと思います。

明日からまた一週間が始まりますね。張り切っていきましょう!