こんにちは、だんだんと梅雨が近づいてきていて身体が重たい山本です!
28日には早くも九州北部と四国が梅雨に入り、大阪ももう間もなくというところですね。
今回の内容と前ふりは全く関係ないですが、、、(笑)
前回の私のブログで宣言した通り、今回は私のミニ講義の内容を簡単にご紹介したいと思います。(はじめました&初ミニ講義:リンク)
※この内容は、専門家の方向けのもので専門用語が多いです。すみません(^_^;)
まず、フードファディズムという聞きなれない言葉ですが、これは簡単にいいますと「〇〇もんたの思いっきりテレビ」などで紹介されて流行る食べ物などをいいます。
⇒別名みのもんた症候群っていうらしいです(笑)
そして、今年は花椒(かしょう)が流行るみたいなので花椒が東洋医学にどのような効果があるのか調べました!(え?流行ってない?そんなの知りません!笑)
花椒は中国産ミカン科サンショウ属華北山椒の実を果皮の部分を乾燥させたもので、簡単に言いますと、中国産の山椒を花椒。日本産の山椒を山椒といいます。
花椒は麻婆豆腐やチンジャオロース、担々麺などの上に乗っている黒っぽいやつです。
日本の山椒とは産地、見た目、味や香りに違いがあります。
花椒:舌先にピリッとした辛味があり、さわやかな香りがし、口の中が痺れるような感覚が広がる
山椒:ゆずのような柑橘系の香りが広がり、マイルドな辛味がし、口の中が軽く痺れる
※左が花椒。右が山椒
では、本題の花椒の性質ですが。。。
四性:温
趨勢:昇
帰経:脾・胃・腎
旬:通年
五味:辛味
毒性:小毒
まとめると中心となる脾・胃・腎を温める作用があり、辛味があるため、陰を傷つけやすく、熱調理をしないと頻回に食べるのは身体に毒といった感じになります。
臓腑については少し詳しく説明します^^
- 脾の昇清作用を助ける
⇒脾の陽気を助けて、温めて、気を持ち上げる作用があるため、昇清作用が低下する中気下陥症などに適応しますが、温める作用があるため内熱傾向にある方には注意が必要になります。鍼灸治療では、百会穴や中脘穴にお灸をする形
- 胃の腐熟作用を助ける
⇒胃の陽気を助け、低下した腐熟作用を促進してくれるので、腐熟作用が低下する食滞証などには適応。ただし、内熱傾向で腐熟作用が亢進して、消穀善飢がみられる場合などは不適で鍼灸治療では、中脘や足三里へのお灸や温補の鍼に相当する
- 腎の陽虚を助ける
⇒ 腎の陽気を助けるため、身体を温めることができなくなった腎陽虚に伴う、腎精不足などで納気作用の低下がみられるときなども適用ただし、辛味によって陰を傷つけてしてしまうため、腎陰虚証の場合は不適。鍼灸治療では、復溜穴や腎兪、膀胱兪へのお灸や温補の鍼に相当
補足ですが、四川省は四方を山に囲まれた盆地で湿度が高く、寒暖の差が大きいため、外的な湿・寒・熱によって影響を受けた肺・肺衛を花椒や唐辛子を用いて発散するため、四川料理は辛くなったと推測されます。
こういった観点から陽にあたらず、運動不足で、空調の効いた屋内で過ごす傾向のある日本人女子にとっては理にかなった側面もあり、フードファディズムがファディズムとして起こる背景には上記のような「ある側面において」理にかなった部分があるためだと感じました。
そのため、頭ごなしに流行りものを否定するのではなく、食品、養生、生活習慣など患者さんにとってなにがいいか、どうかを判断し伝えていくことが重要で、これは診断学ならびにその患者さんに寄り添った問診が必要であり、問診した情報からその背景がありありとみえるような問診力、また鑑別診断学など私にとってこれから必要なものを再認識することができました。
千差万別だからこその面白さがあり、改めて鍼を好きになることができました。
長文になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
今週のお花
グロリオサ バラ スプレーバラ リヤトリス トルコキキョウ
姫水木 アイビーゲーリック ディアボロ