話を戻したいと思います。

「※舌診学の大家でもある師父・蓮風先生は「もともと気候の寒湿から起こり、転化して熱湿になったものが基本。これは舌診からも明らかだ。」としている。」

とも紹介しました。

 

つまり、受け取る外邪は、「寒」「湿」であり、感染性が強い、ということです。が、体内に入ってからは熱化しやすい、ということです。

明らかにされている限られた舌写真の情報からの判断ということになりましょうが、「病の進行が速い」「伝染性が強い」というのは基本「熱」の特徴であります。

※もしかしたら、「寒い」という条件がある場合にありうる「密室に籠もって過ごす」ということによって、感染を蔓延させた可能性もありますよね?実際に寒い、というよりは密室であり、皆がアツくなるライブハウスでの蔓延も認められています。

 

いずれにしろ、普段から「運動不足=気が滞り熱化しやすい」「肉や油脂物を多く摂る=熱が籠もる」「睡眠不足=陰を損ない陽に傾く」といった習慣がある方は重症化しやすい、ということになります。そういったわけで、自身を守るためにくれぐれも、「適度な運動習慣を持つ」「肉や油脂物よりも、野菜を多く摂ることを心がける」「適切な時間帯に十分な睡眠をとる」ということ(普段来院されている患者さんの多くにお伝えしていること)が大切になるわけです。

 

免疫力を上げるために、「あれを食べる」「これを食べる」ということは、非常に一面的なものである、ということであることがお解り頂けると思います。

また、鍼灸臨床家側がやみくもに「温める」処置に終始する、というのもまた問題であるといえましょう。

「我々の本分」解説 8(ラストの予定)につづく