暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

 

今回は、前回の望診ⅠにつづきⅡとして進めて参ります。

 

望診と視診の違い、

また望診の観点として「神」「色」「形」「態」がある、

といった話でした。

 

今回は各種望診の紹介と、舌診について出来るだけ分かりやすく・・・

“舌診てこんな感じ”と伝わるよう解説したいと思います。

 

 

舌一枚でいろんなことが解ります。

 

 

端的にいえば、

お身体の状態の寒熱(冷えに傾いているか、熱に傾いているか)の状態、

虚実(生体のエネルギーの多寡とさまざまな滞りのウェイト)について教えてくれます。

 

また、ある程度、五臓六腑のどこに変調があるのかも分かります。

 

一番役に立つのは、カゼを含め感染症の類の場合ですね。

 

一般的な慢性疾患の場合には、

五臓六腑や経絡の変調をよく表す背候診(背中のツボを診る)や

原穴診(手足の重要なツボを診る)などがより重要となります。

 

カゼや感染症(今話題の新型コロナも)では刻々と病状が変化しますよね。

 

背候診や原穴診ももちろん役に立つのですが、

最もその変化を表現してくれるのが舌なんです。

 

ともあれ、舌を診て、お身体の状態を判断する、

ということはすなわち、仮に同じウィルスに感染しても、

「感染した側の生体によって生体の情況が異なり得る」

ということを踏まえているわけであり、

東洋医学が重視しているところでもあります。

 

 

同一のウィルスに感染しても、重篤化するかしないか、

今できることは何か、

ということを指示してくれる重要なものさしといえます。

 

ともあれ、患者さんの皆様のお身体の状況を多面的に診て判断してゆくのが大事ですから、

カゼを引いていなくても、舌は拝見いたします。

 

ベッドサイドでお尋ねして、都合が悪いことに口ごもる方には、

 

「もう一枚舌を出してくださいね!」

 

と声をかけたりします笑

 

ではまた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が代表を務める(一社)北辰会の創始者であり、

父でもある藤本蓮風が1983年に共著で出版した、

日本鍼灸界における初めての舌診専門書です。

当時、舌診を行う鍼灸家はほぼなく、ずいぶん叩かれた、と聞き及んでおります。

なかなか難しい業界です。