東北での災害から早10年。

災害時に鍼灸師である私に何が出来るか、今一度考えてみたいと思います。

 

①心構え

②知識

③治療

 

①心構え

災害時には精神的・肉体的ストレスが大きく、常に緊張状態にある事でしょう。

こちらが心を安定させ、温かい心・温かい手で相手を包み込むように診察・治療ができれば、少しの間でも心を癒す事が出来るのではないでしょうか。

どんな状況でも相手を安神させる精神・肉体の鍛錬が必要です。

 

②知識

災害時は持病の悪化や急性の病が起こりえるでしょう。

鍼灸師は西洋医学的な診断は出来ませんが、東洋医学的な診断は出来ます。

機器を使わず、脈や舌、手足や腹背の経穴の状態から診断し、必要に応じて西洋医学を受診させる事ができ、多くの命を救う事が出来ると考えます。

そのために、西洋医学・東洋医学の知識を増やしておく必要があります。

すぐに東洋医学的診察・東洋医学的診断ができるのは我々の強みではないでしょうか。

 

③治療

物資が少ない状況、災害の余波がある状況では多くの鍼を刺すことは、難しい。

我々は少数鍼(1〜3本)のため、少ない物資でも多くの方の治療が可能になります。

また、刺さない鍼も使う事が出来き、治療の幅が広がります。

実際の現場では不眠や食欲減少、胃炎や膀胱炎、エコノミー症候群など様々な症状を抱えています。

急を要する場合を除きそのような痛みや苦痛を和らげる力が鍼灸にはあります。

 

災害時に何が出来るか。。

日々の臨床の延長であり、患者さんにとって災害に関係なく今の苦しみから解放されるお手伝いを一生懸命する、それだけなのかもしれません。

 

目の前の患者さんを救う。その一心で日々精進して参ります。