先日、本屋さんに行った時に、樹木希林さんのコーナーがありました。

 

 

 

「いつも心に樹木希林」というタイトルの本があり、樹木希林さんの経歴やインタビュー、他の芸能人からの見え方が書かれていました。

 

後半、読んでみると病に対しての認識の仕方・向き合い方が書かれていました。

 

「人間はなんとなく「老いる」とか、「病気」っていうのは嫌なものだというふうに思っているでしょうけど、私はそれが一種の「気づきのチャンス」だと思う。変化しないと思うからこそ怖くなるんだ。」

 

また癌に対しても独特の見解があります。

 

「“癌”という字はヤマイダレに品の山って書くんだよ。品物が埋もれているんだよ。それに癌は向き合えるからいい病気なんだよ。突然死だったら病気と向き合えないでしょ。」

 

変化する事を受け入れているからこそ、変化する事を恐れない。

樹木希林さんの生き方は自然と共に、「流れていく人生」だなと私は感じました。

 

みんな人生それぞれ。

その人生における病気の意味、というものも意識しながら鍼灸師として病と向き合っていきたいと思います。

 

 

 

みなさまにお知らせがあります。

 

私は今年3月で藤本玄珠堂を卒業させて頂くことになりました。

お世話になってから4年半という期間でしたが、私にとって濃厚すぎる時間でした。

 

いろいろあったなぁ。しみじみ。。。

当院長、藤本新風先生に出会っていなかったら鍼がこんなに楽しいもので、奥深いものだと知らなかったかもしれません。

そう思うと、鍼灸師としてこれ以上ない環境に身を置くことができたと感じています。

 

鍼1本に込める思いや論理、もっと大きく人生そのもの。

昔お世話になったとある先生が口にした一言、「私は鍼に命をかけている」というのをふと思い出しました。

その時は大袈裟に捉えていましたが、今は本当にそう思います。

 

最高の鍼とは何なのかってよく考えていました。

もちろん医療人として病が治るということが大事ではありますが、院長から教わったのは「人を診る」ということ。

一言でいうと「思いやりの鍼」。

論理的に病を把握すること、また感覚的に気の動きを感じることも学びになりました。

どれも大事なのですが、その土台にあるものと言いますか、「その人を理解したい」という人間的な関心がないと、見えなくなるものも多いんだなと改めて感じました。

これがどれほど大事なことが学ばせて頂きました。ありがとうございます。

 

これは鍼灸師としてだけではなく、プライベートでも重要なこと。

問診の中で「人を診る」指導をして頂くにつれて、他人への関心が薄い自分に気付けたのです。

こんな考え方もあるんだ、こんな風に感じるんだ、とひとりひとりが違うということが少しずつ理解できてから、人に優しくなれました。

気配りや声掛け、その人が少しでも心が緩んで優しくなれるには、自分がどうあるべきかを客観的に見られるようになってきました。

 

するとおもしろいもので体表観察も変わります。その人が診えてくるとその人の身体がとても診やすくなるんです。

鍼灸師のときだけ人を診るのではなく、普段からフラットに人を診ることが大事で、その延長に治療があるようにも感じます。

 

これも新風先生の指導があってこそです。

お忙しい中、ご指導して頂き本当にありがとうございました。

 

玄珠堂スタッフの先生方もありがとうございました。

 

分院長の松本先生は非常に精密なお手本のようなカルテを日々とっており、毎回勉強させて頂きながら楽しみでもありました。

小下先生は、本院で一番長く一緒にいた先生ですね。患者さんを診るときの雰囲気が柔らかく、患者さんへの寄り添い方、空気の作り方はまねさせて頂きました。

岡田先生は、声のトーンの機微で人を元気にさせるのが上手いなーっと感じることが多く、また女性目線の考え方も参考にさせて頂きました。

宮城先生は、純粋に鍼が好きなんだなーっと感じたし、その捉え方とか見え方は参考にすることがありましたね。

山本先生は、何と言っても熱い男です(笑)その熱量と勢いに触発されて元気をもらうことが多かったし、自信をもって発言する力強さにはいい刺激を頂きました。

日野先生は、独特の自分のペースがあって、言われたことを真面目にただただまっすぐ取り組む姿勢は、純粋にすごいなと感じました。

相台先生は、なんか昔の自分を見ているみたい(笑)。それゆえになつかしい気持ちになることもあったし、自分という存在をもう一度見直すきっかけをくれたように思います。

 

玄珠堂スタッフはみんな個性があって、その個性が刺激をくれたし大きく成長させてくれた。感謝しています。

 

また、玄珠堂の患者さんからもたくさん学ぶことができました。

ひとりひとりの患者さんとの出会いが経験が、私の中に確かにあって、感謝の気持ちでいっぱいです。

またその辺で見かけたら声かけて下さい(笑)

 

卒業してからどうするの?という声もあるのですが、

実は私、「鍼灸 曽我正安堂(そがしょうあんどう)」の院長として堺市中区にて開業しております。またお近くを通りがかりの際は、お顔を見せてくださいねー♪

 

これからも鍼灸という医学の素晴らしさを皆様に感じて頂けるよう邁進して参ります!

いつも心に玄珠堂(^^♪

本当にありがとうございました。

                                   曽我弘之拝

 

今週のお花

エリンジューム、アスター、アリウム、トルコキキョウ、アゲラタム、

バラ、てまり草、ユーカリ、天文草、ルスカス